学芸にゃーど。

BighistoryやSapience的考察からヒト、科学、学習、言語、芸術、心、脳などについて思考する"更新型"メモ/ノートです📖 よって、グルーミング用の旬な時事ネタはないです…か?

ダイアモンド博士の“ヒトの秘密” 第8回『"進化"から見た文明格差』ETV連動企画⑧追加:ウマ編

原書"The Third Chimpanzee"ではだいぶスペースを割いていたウマについての記述を原書から抜粋してまとめます。
The horse was also of incalculable military value. It was both the tank, the truck, and the jeep of warfare until the Nineteenth Century.
ウマには計り知れない軍事的価値がありました。19世紀まではそれは戦時用のタンクであり、トラックであり、ジープでありました。馬の軍事的利用の特殊性が他の種と違う点と言えるようです。

                                       

ウマは奇蹄類(Perissodactyla:蹄が奇数)という哺乳類に属しますが、[参考資料⇩]
蹄類の現存の17種のうち4種のバク(tapirs)と5種のサイ(rhinoceroses)、8種の野生のウマのうち5種は家畜化できなかった。アフリカ人やインド人がサイやバクにまたがってヨーロッパの侵入者を封じたかもしれないが、そういったことは起こりませんでした。

蹄1本(中指❢)のウマ、3本のサイ、3本のバク(前は4本)
画像元:さめこさん from pixiv
'bad-tempered', 'irascible', 'unapproachable', 'unchangeable', and 'inherently intractable'「機嫌が悪い」「怒りやすい」「近寄りがたい」「変えようがない」そして「元々扱いにくい」といったことが原因でした。


When domesticated horses reached the Middle East around 2300 BC, onagers were finally kicked onto the scrapheap of failed domesticates.
家畜化されたウマが中東に紀元前2300年ごろ到達したころアジアノロバは家畜化に成功せずお払い箱行きとなったようです。


Horses revolutionized warfare in a way that no other animal, not even elephants or camels, ever rivalled.
ウマは他のどのアニマル、象やラクダですら出来ない点で戦時に革命をもたらしたのです


Soon after their domestication, they may have enabled herdsmen speaking the first Indo-European languages to begin the expansion that would eventually stamp their languages on much of the world.
ウマの家畜化が初期インドヨーロッパ言語注)を話す牛飼いたちが世界にその言語を広める原因になったのかもしれないのです。


それから数世紀たってからはウマは古代の戦争における止めることのできない戦車となった。サドルとあぶみが発明されるとフン族の王アッティラはローマ帝国を破滅させ、
チンギスカンはモンゴルの遊牧民諸部族を一代で統一し、中国北部・中央アジア・イラン・東ヨーロッパなどを次々に征服しました。


A few dozen horses helped Cortes and Pizarro, leading only a few hundred Spaniards each, to overthrow the two most populous and advanced New World states, the Aztec and Inca empires.
数十頭のウマと数百の兵士でスペインの征服者コルテスとピサロは当時新世界で最も人口が多く発展していたアステカ・インカ王国を征服,破壊しました。

Ironically, relatives of the horses that Cortes and Pizarro rode had formerly been native to the New World.
皮肉にもコルテスとピサロがまたがったウマの系統は新世界に由来していたのです。
Had those horses survived, Montezuma and Atahuallpa might have shattered the conquistadores with cavalry charges of their own.
そのウマ達が生き残っていればアステカの君主モクテスマとインカのアタワルパ皇帝は征服者の騎兵の突進を封じれたかもしれないのです。


※Had those horses survived,⇒If those horses had survived,の倒置です。
"if~had+過去分詞,"は「あの時(を補って)~だったら
might+have+過去分詞⇒「have+過去分詞」部分は””+"might"は「ひょっとして~かも」=「ひょっとして~だったかも


The civilizations of the New World limped forward on human muscle power alone, while those of the Old World ran on the power of animal muscle, wind, and water.
新世界の文明化は人力だけでじわじわ進んでいる一方で、旧世界のそれはアニマルの動力風力水力も使って走り抜けたのです。


画像提供:いらすとやさん  


参考資料 
インドヨーロッパ言語 注)
インド・ヨーロッパ語族とは?東はインドから西はヨーロッパにまたがる最大の同系語グループ。Wiktionary日本語版より

 
奇蹄類(きているい)より多い偶蹄類(ぐうているい)について⇩
偶蹄類:四肢の指が偶数で、それぞれの指に蹄を持つ。歩く時は中心2本の指に力がかかるようになっている。大変繁栄している動物群であり、ウシ、シカ、キリン、ラクダ、カバ、アンテロープなどを含む。ウシ、シカ、キリンなど、複数の胃を持つ反芻動物(反芻亜目)と、反芻しないカバ、イノシシ(猪豚亜目)、足の構造が少々特殊なラクダ(核脚亜目)に大別される。近年では遺伝子学的見地からクジラやイルカが猪豚亜目(特にカバ)に極めて近縁であると見做されるようになり、それらも含めて「鯨偶蹄目」と呼ぶ事も多い。https://dic.pixiv.netより
現在、偶蹄類は奇蹄類よりも科、種ともに多数となり、勢力では優勢です。その大きな要因は、走る能力よりも、偶蹄類、特に反芻類が編み出した優れた消化システムにあるということです。



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