学芸にゃーど。

BighistoryやSapience的考察からヒト、科学、学習、言語、芸術、心、脳にゃどあれこれ思考する"更新型"メモノートです📖 よって、グルーミング用の旬な時事ネタはないです…か?

【トラウマと脳】脳は又配線しなおす🎭

Scientists Have Discovered How Traumatic Experiences Actually Rewire The Brain
トラウマ経験が脳の神経回路を再配線しなおす!?

トラウマを克服して不安のない生活に戻るのに認知行動療法が最善だとされていますが、再発がどうしてもなくならない。(><)


おぞましい体験が再来した時に脳はどういった反応をするのかについて神経学者たちは以前より好ましい見解を持てそうです。PTSDを持つヒトにも朗報かもとのことです。我々ヒトの(恐怖)忘却能力の裏に隠された神経回路を調査する国際チームがそれを発見したようです。


よくある認知行動療法には以下のような暴露療法[Exposure Therapy]というものがあります。この効果を示す知見は数多くありますが、私的にはその対象によると思います。
わかりやすかったのが放送大学でのサンプル治療風景で、あるカエルが苦手な女性タレントが最初はかわいいぬいぐるみのカエルを触ることから始め、最後には本物のカエルをタッチできるようになるというものでした。ん~確かに。。。でもそれで生活に支障きたすほどではないように思われる。。。

暴露療法[Exposure Therapy]:不安や苦痛を克服するため、患者が恐怖を抱いている物や状況に対して、危険を伴うことなく直面させ徐々に慣れていいかせる治療法のひとつ。かなり効果を期待できる方法であるが勿論万全ではない。上のイラストはそれをパロディーにしたもの。高所とへびと暗闇が苦手なヒトがこの3つの克服課題とともに箱に閉じ込められて訓練されている様子。


嫌な記憶を忘れる訓練をしても脳内全体からその出来事の完全消去は現時点では出来ない(><)大抵の場合生活できるくらいにはなるが、またよく再発する(><)


すでにわかっていることは嫌な記憶を弱めていくには思考や行動を制御する認知システムである実行機能(executive finctions)に関わる脳領域である内側前頭前皮質(medial prefrontal cortex) 注1)の働きが重要ということです。


恐怖な記憶をほうむり去るために 療法により前頭前野の下辺縁皮質 注2)と呼ばれる領域を再編成するのです。さらにこの下辺縁皮質は恐怖を感じる中核である扁桃体と繋がっていてトラウマ症状を抑える働きをする。少なくとも正しい状況下では💦つまり専門医のいる環境(文脈)では上手いこと”それ”を消したかのように思えるのに、日常ではまた"それ”が出てくる!!!ちょっとでも状況(物理的又は精神的)に似た場面(文脈)を想起すると。ラットなどの実験からも恐怖などの再発の理由として条件反射への制御力が失われる、つまり、新たな回路(嫌なことを忘れさせる)が何らかの理由で働かなくなったから と考えられていた。


しかし今回わかったことは一度消されたように思える恐怖が再燃するのは
脳が海馬下辺縁皮質の橋渡しになる新タイプのニューロンを作り上げてしまったからだということです。


It wasn't a case of weakening old bridges, but the brain building new ones.
古い神経回路の橋が弱ったのではなく、脳が新たな橋を作ってしまうことのようです。


研究者はさらに『この結果で以前からよくわからなかった記憶想起の文脈依存注3)を抑えるための海馬前頭前野の神経回路の関係が明らかになりました。』と締めくくりました。


Given areas of the brain such as the amygdala grows in response to traumatic experiences, it's hardly surprising that there is a complicated re-wiring of new pathways going on. 注4)
扁桃体のような領域がトラウマ経験によって肥大するとするなら、
 超複雑な新規神経回路の再配線が起こっているとしても驚きじゃない!



現時点ではこの発見は心理療法士より脳神経科学者に都合のよいものかもしれませんが、
そのうち特定の神経回路をターゲットにした治療法としても浮上してくる可能性もあり、
トラウマのフラッシュバックや他の条件反応を永遠に消し去るのに役立つかもしれません。


こういう研究には期待したい(⌒∇⌒)


今回は(も?)私のノート(メモ)としてご覧願えたら幸いです、正確な内容は出典元などでご確認願います。勿論答えはないです、答えがあるのは数学のみ。。。で。


記事元⇩です。


注1)内側前頭前皮質(medial prefrontal cortex) 
👀眼の上側あたりに存在し、腹内側(下の方)前頭前野と背内側(上の方)前頭前野からなる。
情報を統合して行動を調節する機能を担るとされ、他者との交流・自己・意識といった様々な高次精神機能に関与することが確認されている。リスクと報酬の釣り合いからの行動決定や記憶などにも関わることが報告されている。また、この部位の神経細胞が活性化されることで攻撃行動が起こりにくくなることが確認されている。
内側前頭前野 - 健康用語WEB事典 より引用


注2)
腹内側前頭前野には下辺縁皮質(infralimbic cortex)と呼ばれる恐怖のような情動反応の抑制に重要な領域が存在するとされる。
更に専門的に知りたい⇩日本語です。
下辺縁皮質扁桃体の介在細胞を介して扁桃体中心核を抑制することが知られている。
https://www.astellas.com/jp/byoutai/other/reports_h24/pdf/24-67_nomura.pdf


注3)
記憶の文脈依存とは、記銘(情報を覚えること)するときと、想起(覚
えた情報を思い出すこと)するときの環境条件(文脈)が一致している
場合のほうが、一致していない場合よりも記憶の再生成績が良いという
現象をさす。臨床心理の参考書より引用。


注4)
given~: 仮に~だとしても


it's hardly surprising that S+V:SがVであるのは驚くことじゃない
hardly~ :ほとんど~じゃない

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